基本方針
SDGsは、社会が持続可能性を保持しつつ発展するために不可欠の取組であるととらえています。
このため、グループ横断の検討プロジェクト(検討PT)を立ち上げ、全社をあげて積極的に取り組んでいます。
田渕ホールディングスグループは、SDGsへの取組を通じて、企業として以下のめざす姿を実現していきます。
めざす姿
・安心安全で高付加価値な物流サービスを提供する会社
・陸上・海上の勤務者さらにその家族も幸せを感じ、誇れる会社
・事業活動を通じた社会課題解決に貢献する会社
SDGsへの取り組みの3つの柱/重点取組分野
田渕ホールディングスグループは、「めざす姿」の実現に向け、事業活動において特に重視する視点(=3つの柱)と特に重視して取り組む分野(重点取組分野)について、以下のとおり設定しています。3つの柱や重点取組分野の検討にあたっては、田渕ホールディングスグループの事業上SDGsとの関係が深い19分野を取り上げ、マテリアリティ分析を行った結果を反映しています。
活動の一例
操船シミュレーションシステム紹介
さまざまな操船状況のシミュレーションが可能。実践的な船員教育に活用し、安全運航に貢献。
誰でも安全に操船を体験することが可能。地域の小学生を招いた海運教育の充実に貢献。
メタノール燃料船開発プロジェクトへ参画
当グループは他社との戦略提携を通じて参画。海上輸送に関する環境負荷軽減に向けた取組を進めています。
具体的な取組内容
当グループの具体的取組内容について、3つの柱に沿ってご紹介します。
安心安全で高付加価値な物流サービスの提供
(重点取組分野)
安全運航の徹底、新技術の積極採用、新事業展開
基本的な考え方
・ 安全運航を徹底し安心安全な物流サービスを提供することを徹底します。
・国内主要コモンキャリアのひとつとして、さまざまな荷主などステークホルダーに対して高付加価値なサービス(新技術の採用・新事業展開を含む)を提供することを通じて、社会経済の持続可能な発展に貢献します。
取組内容(例)
【安全航行】
・操船シミュレーションを使用した船長昇格前研修等の実施(様々な状況に対応する操船スキルの向上)
・船内・船外監視カメラ設置及び陸上勤務者との連携強化(船上作業の確実性と安全性向上)
【新技術】
・スーパーカーゴの導入(荷役の自動化など最新設備を導入した船舶)
・輸送用タンクの熱吸収を抑える特殊フィルムの活用(燃料輸送効率の向上による環境負荷軽減に貢献)
【新事業】
・LNGなど新燃料のバンカー船・CO2輸送船運航の検討(将来の輸送需要への対応)
・船舶への食材販売研究(自社船での食事等提供ノウハウの展開)
多様な人財が成長・活躍できる経営基盤の整備
(重点分野)
船員のワークライフバランス向上、女性活躍・ダイバーシティの推進、未来を担う人財の育成・活用促進
基本的な考え方
・船舶輸送を支える船員の勤務状況改善等を通じたワークライフバランスの向上を目指します。
・従業員が自身の経験や能力を活かしたキャリアプランを実現できるよう、人事制度や社内の研修制度を継続的に改善し、従業員が一層働き甲斐を感じられる会社にしていきます。
取組内容(例)
【船員のワークライフバランス】
・すべての自社船にWi-Fiを設置
・月2回の休暇(当社独自の船舶の運航停止休暇)、3ヶ月乗船・1ヶ月休暇の推進
・船内の居住空間の改善の推進(個室の空調改善、娯楽室設置など)
・船員の健康向上のための取組推進(産業医と連携した船員専用サイトでの健康教育など)
【女性活躍・ダイバーシティ】
・男女に差のない採用・昇進基準(職種や性別による差異を排した能力・経験重視の制度を採用)
・女性活躍を支える制度の充実(産前産後休暇はもとより、男性も取得できる育児休業制度導入)
【人財育成・活用促進】
・操船シミュレーションを活用した新人船員育成(実践的な操舵訓練を実施)
・ハイブリッド勤務の推進(在宅勤務と組み合わせた柔軟な勤務形態=ハイブリッド勤務)を積極的に推進)
社会の持続可能性に配慮した事業活動の展開
(重点分野)
事業を通じた環境負荷軽減、循環型社会実現への貢献、事業を通じた地域社会への貢献社会規範・コンプライアンスの尊重
基本的な考え方
・内航メタノール船の開発への参画に見られるように、環境負荷の軽減につながる海上輸送方法の研究・開発を継続します。
・操船シミュレーションシステムを地域での海運教育などに活用するなど積極 的な地域貢献に努めます。
・事業活動の前提として、社会規範の尊重を重視し、そのための社内教育を行います。
取組内容(例)
【事業を通じた環境負荷軽減】
・メタノール燃料船開発への参画(前記リリースご参照。メタノール船はCO2排出を最大15%削減可能)
・新世代燃料船に関する調査・研究への着手(バイオ燃料、アンモニア、水素燃料船、EC船などの研究に着手)
・船舶輸送に関連した各種環境負荷軽減策の試験導入(空調システム見直しによる冷媒ガス削減など)
・ゼロエミッション倉庫の取組(子会社の田渕倉庫で推進。フォークリフトの電動化、産業廃棄物の分別・再利用など)
【事業を通じた地域社会貢献】
・地域の学校での海運教育の実施(地域の小学生向けに海運教育を開始。操船シミュレーションも活用。)
・地域と連携した活動への積極参画(町興しイベントへの参加、産業廃棄物の削減など地域の環境向上に貢献)
【社会規範・コンプライアンス】
・階層別の社内研修の定期実施(コンプライアンスを含め座学、ケースワーク、動画、e-learningを活用して実施)
・行動基準の周知、浸透
今後の方針
SDGsのターゲットイヤーである2030年またはそれ以降も視野に入れ、当グループの取組の方向性をご紹介します。
安心安全で高付加価値な物流サービスの提供
例えば、以下のように、船舶輸送へのIT技術の積極導入、さらには船舶管理や船員派遣の強化などに取り組むことを通じ、より安心安全で高付加価値な輸送サービスの提供に努めます。
取組予定項目(例)
・自動運航を目指した運航支援システムの研究開発(安全運航の向上、船舶運航の合理化に資するため、取引先などステークホルダーと連携して推進)
・機器管理、作業監視へのIT導入、荷役作業の自動化(船舶管理へのIT等の積極活用)
・船舶管理業、船員派遣業の推進(安全運航への貢献に加え、船員不足、船員の労務環境の改善に貢献)
船舶管理業の推進とSDGsとの関係
当社は、「今後、船舶管理業を一層強化すること」を重要な経営目標のひとつとしています。船舶管理業は、船の所有者である船主の委託を受け、当該船舶に関る船員の採用や労務管理、船舶の安全運航管理や保守管理、船内環境整備など幅広い業務を行います。それらの業務を通じて船主の補助、後方支援を目指します。当社は、上記のとおりSDGs関して種々の取組を進めていますが、今後、それらを継続的に進化させるとともに、船舶管理業の推進を通じたSDGsへの波及効果も追求していきます。
多様な人財が成長・活躍できる経営基盤の整備
例えば、以下のように、船員の働く環境の改善、女性を含めたダイバーシティ、人財育成の強化などを一層押し進める取組を通じ、海上勤務か陸上勤務、性別や年齢などにかかわらず成長機会を提供することで、自己の能力を発揮し活き活きと活躍できる環境を整備していきます。
取組予定項目(例)
・休暇サイクルの短期化など、船員の働き方改善(特に若年層のニーズも踏まえた現行制度のさらなる改善)
・女性船員採用や女性管理職など女性活躍推進(船舶の種類や業務内容に応じた女性船員の活用、管理職への一層の登用を検討)
・海上勤務者と陸上勤務者の人事交流拡大(現行の人事交流制度をさらに拡充)
社会の持続可能性に配慮した事業活動の展開
例えば、以下のように、メタノール燃料船、次世代燃料船など、船舶輸送に関する環境負荷軽減に向けた検討・推進に加え、地域と連携した活動の強化、船員も含めた教育制度の強化等を通じ、社会の持続可能性に一層配慮しつつ、社会とともに成長・発展する事業モデルを追求していきます。
取組予定項目(例)
・新世代燃料船への取組の加速(メタノール燃料船(2024年竣工予定)に加え、将来導入をにらみバイオ、アンモニ ア、水素、電気(EC船)などの燃料の調査検討を推進)
・操船シミュレーションも活用した海運教育の拡大(地域の小学校・中学校・高校に幅広く提供)
・船員の研修制度充実(IT、e-learningの積極活用し、船員向け研修制度を充実)